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月の石と、手の記憶

石を選ぶことから、ひとつの工房がはじまる

Quiet Moonstone は、天然の月長石を主役に据えた手作り宝飾の工房です。銀の台座で石の青い揺らぎを引き立て、少量ずつ丁寧に仕立てています。

はじまりの話

三軒茶屋の小さな作業台から

工房は世田谷区三軒茶屋の一室にあります。最初の数年は、譲り受けた万力と小さな火床だけで、ひとつの指輪を仕上げるのに何日もかけていました。量を追わず、一点ずつ向き合うという姿勢は、その頃から今日まで変わっていません。

月長石を選んだのは、同じ石でも角度と光でまったく違う表情を見せるからです。工業的に揃えることのできないその個性こそ、手仕事で向き合うに値すると考えています。

三軒茶屋の工房で、作業台に並ぶ工具と仕上げ途中の銀の指輪

石のこと

主役は月長石、脇を支える自然の色

すべての中心にあるのは月長石です。乳白の地に浮かぶ青い光(シラー)は、石ごとに向きも強さも異なります。私たちはひとつずつ光を確かめ、もっとも美しく揺れる角度を見つけてから台座を起こします。

あわせて、ラブラドライト、アクアマリン、ローズクォーツなど、月の光に寄り添う自然石も少量取り入れています。どの石も産地と特性を確かめたうえで仕入れ、来歴のわかるものだけを扱います。

つくり方

地金に向き合う、鍛金と鋳造の手

台座にはシルバー925を用い、下処理から磨きまで工房内で仕上げます。鋳造で形を起こしたあとも、面取りや石留め、最終研磨はすべて手作業です。金属の継ぎ目や石座のわずかな歪みを手の感覚で整えることが、長く使える丈夫さにつながります。

ひとつのコレクションは十数点ほどの小さな単位で制作します。工程を自分たちの目が届く範囲にとどめることで、品質を一定に保っています。

銀の台座に留められた月長石の指輪、青いシラーが表面に浮かぶ

数字で見る工房

小さく、確かに続けてきた記録

  • 925銀 台座に用いる地金の純度
  • 12点前後 ひとつのコレクションの制作数
  • 100% 来歴を確認した石のみを使用

お届けのあとも

来歴カードと、末長い手入れ

すべての品には、石の種類と来歴、手入れの要点を記したカードを添えます。月長石はやわらかく繊細な石ですから、強い衝撃や超音波洗浄は避け、乾いた柔らかな布でそっと拭う手入れをおすすめしています。

修理やサイズ直し、永く使ううちの再研磨にも対応します。個別オーダーや刻印などの相談も含め、作り手と直接やり取りできることが、この工房の価値だと考えています。ご相談は工房のお問い合わせ先で承ります。